私の所属する部門には部内教育で「ナイスミドル講座」というのがある。
その名の通りナイスなミドルが講演する。つまり、部長クラス以上が若手に対して「営業とは」とか「苦労話」とか「期待すること」などを語るというものである。
しかし、ほとんど参加したことがない。「オジサンたちの話を聴いても仕方ない」なんてことを思っている訳ではない。年輩の方とお話しするのは、むしろ大好きだ。
なぜこの講座が好きになれないか、マジメに考えてみた。
嫌いな理由でもっとも大きいのは「何も産まない」ということだと思う。
ナイスなミドルに学ぶことは、座学によってもたらされるのではなく、日常生活の中でもたらされるものであると思う。立ち居振る舞いや心遣い、ビジネスマナー、良識、ビジネスセンスなどの暗黙知は「背中」で語るべきものと思う。逆に言うと講演形式でコンテンツとして成り立つのはごく一部であり、たいていは面白くない。そんな面白くないコンテンツを提供されても何も産まないのである。唯一、産んでいるのは若手の前で話して悦に入ることのできるというナイスミドルの自己顕示欲くらいである。
そこで、私は「逆」にすれば良いと思う。つまり「ナイスヤング講座」。
部長以上は必須参加で、ナイスな若手がプレゼンをする講座である。かつ、その提案に対して必ずその場で何らかの決定をするということを約束する。
この講座で産むものは

  • 若手のプレゼン能力
  • 管理職の決断力
  • 事業スピード
  • フラットな情報交流

ナイスなミドルは、伝えるべきことは日常のなかで伝え、若手に真摯な姿勢で学ばなければならない。(自戒も込めて)