企業は人の集合体であり、人材こそが企業の唯一の財産である。
とくに不動産など有形の資産を持たない情報サービス業では。

これは人材開発という観点からよく言われることで、そのとおりだと思う反面、この言葉に甘んじていることこそ、いわゆる“大企業病”の本質ではないかと思う。

ベンチャー企業が隆盛の時代であっても、人材という意味では大企業に分がある。単純に人数が多いのだから優秀な人がいる確立も高くなる。人数あたりの売り上げを考慮しなければ、大企業の人材力にはベンチャー企業は敵わない。しかし、現実はそうではないのは、人材力を活かす組織力がないからである。これはすごく当たり前のことなのだが、“経営”というものが全くない状態。それが大企業病なんだと最近、改めて認識している。

それでも企業として存在しうるのは、一部の優秀な人によって生かされているということである。

そういった意味では大企業病に冒された大企業では、“経営”は学べないが、“優秀な人”には出会いやすいし、人材開発という名の下に“自己投資支援”には事欠かない。

そう考えると大企業病に冒された大企業も“捨てたものではない”わけです。外の世界での自分のポジションやトレンドを積極的に把握する努力さえ怠らなければ。