Web2.0時代のテクノロジー・トレンドセミナー(第2回)に参加。遅くなったが、その所感エントリ。

SUNのこのセミナーシリーズは、やもするとバズなキーワードである「Web2.0」というのをエンタープライズの視点にまで広げて議論するので、毎回(といっても2回目だけど)興味深い。

テックバイザージェイピーの栗原氏の講演のなかで出た「イベント駆動型アーキテクチャ」というのが特にフックした。これまで入力に対して出力というインタラクティブ性だったものが、より無意識的にイベントと連動した形で情報が処理されるというものだと理解したが、RFIDなど非接触センサーなどとも繋がりが見えてくる。RFIDは現状、倉庫管理などがモチベーションの主軸のように見えるが、マーケティングの観点からの利用というのが本来の向かうところだと思う。Web2.0とRFIDが繋がるあたりが良い感じ。

渡辺聡・情報化社会の航海図の渡辺氏(っていうか、ワタ)のいう、Media as “Software”ってはすごく良い。(詳細はCNETのブログ
というのは、私はSIerの広告宣伝部門で働いているが、スタッフ(つまりコストセンター)と事業部(プロフィットセンター)との間にいるような感覚が最近ある。それは、単に自社内で利用しているシステムを外販しましょうといったものではなく、あるべき広告宣伝みたいなものを考えていくと、社内情報システムの壁に当たる。それはイントラネット2.0だったりインターナルブランディングなどというキーワードで捉えているわけだけれども、そこには少なからず情報システムが介在している。そこに対する強いニーズというものがある。そして、そういうニーズを捉えて、設計し、提供しないとSIerの価値が認められなくなるのは時間の問題でもある。業務効率化だけではITの効果を正しく測定できなくなっているとも言える。(それだけで捉えた結果、情報システム部は疲弊し、利用部門との乖離は開く)つまり、最後に彼が言ったサービス設計に必要なスキルとして

  1. テクノロジーの理解
  2. テクノロジーに耽溺しないサービス視点
  3. メディア設計の感覚

SEやシステムコンサルが頑張って2.まで行けたとしても、3.の感覚は広告宣伝部がプロである。(という自負がある)

リクルート
小浜氏の話もまた興味深いものだった。リクルートというのはある軸(結婚や中古車、就職など)で情報を串刺しにして、デリバリするというのが基本価値としてあると思うが、CGM&高性能サーチの時代にはその価値は目減りしていると考えていた。実際、コアユーザは減少しているという分析はされていた。講演を聴いていると、Webへのシフトがありありと感じられたが、ペーパーメディアはどう持っていくのだろうと疑問が生まれた。そもそもリクルートは“メディア”なのか、“情報サービス”なのか、なんてことも頭をよぎる。でも、そんなことはどうでも良いのかもしれない。ニーズが出会う場を提供するための最適化をひたすら追求していくということであれば。