とある社内資料が送られてきた。内容は、ブランディングに関する企画書。要するに、グループ企業横断的なブランディング強化施策を推進するというものであった。

それ自体は、微妙にズレているとはいえ、大枠合意できるものだが、どうも腑に落ちないというかスッキリしない。 理由は、非常に簡単かつ致命的で“お客さまの視点”が全くないからだ。

企画書内に頻出するキーワードも

  • クロスセル
  • グループ連携
  • グループ全体のビジネス拡大
  • 経費マネジメント

などなど。

つまりは、いかに売るか?に終始している。もちろん、これらの視点が全く必要ないというわけではない。しかし、この企画書をたとえばご贔屓のお客さまに見せてワクワクしてもらえるのだろうか?

「ブランディング」とか「シナジー」とか、そんな言葉を使うからブレる。(これは自戒も込めて、、、)とどのつまり、「一緒に仕事をしたいと思ってもらうには?」 に尽きるのだと思う。「一緒にビジネスがしたい」と思ってもらえることがブランディングだし、その結果として生まれるのがシナジーだと思う。

さて、反対ばかりしていても、どこぞの抵抗勢力に成り下がるので、対案を作った。そのAppendixに「ブランドとは」というスライドも入れた。そこではブランド論を振りかざすより、分かりやすい図を引用した。

もともとの社内資料を作っている人たちは、ADVERTISINGのように言い続けていれば、いつの日かBRANDINGのようになると信じているようだ。そんな“催眠商法”はとっくの昔に終わっている。