“Web2.0”というキーワードについては、落ち着いたのか、まだまだバズワードなのかよく分からないが、そのコンセプトはジワジワとエンタープライズ領域へと侵食していっているように思われます。そんな折、ガートナーのレポート“第2次インターネット革命を視野に入れ、企業は消費者向けテクノロジの導入を検討する必要がある”というのが出ていたので、興味深く読みました。
エンタープライズサーチ導入の課題でも書きましたが、インターネットの世界では当然のようにあるものがエンタープライズ、とくにイントラネットには入ってきにくそうにしている。つまりは

1990年代初頭、グラフィカル・ユーザー・インタフェース (GUI) は、ほとんどの企業に子供だましとして片付けられた。その後1990年代にインターネットが脚光を浴びたときも、「まだ機が熟していない」として多くの企業が顧みなかった経緯がある。この傾向は、携帯電話やインスタント・メッセージング (IM) などのツールやテクノロジについても変わっていない。

歴史は繰り返すわけです。その結果

セキュリティ上の潜在的な危険性、または生産性の低下が企業内にもたらされることを懸念しているため、一部の消費者向けのテクノロジを敬遠している。

しかし実際には、

2007年から2012年にかけて、企業が導入する新しい情報テクノロジのほとんどが、消費者市場由来のものとなる。

と分析しています。確かに社内より自宅のほうが気持ち良く働くことができる場合が間々あります。そういった状況下、情報システム部門は集中管理に必死なわけですが、抵抗勢力として社員を悪者扱いするのではなく、

ユーザー(社員)・ネットワークの力を利用する方法

を考えないといけないわけで、「消費者テクノロジーは信頼感に欠ける」なんてことは言ってられなくなったのです。