広告キャンペーンのクリエイティブ評価をするために、グループインタビューを実施した。
広告を並べて、どれが良い?というだけではなく、次期テーマを探るためにも、被験者の抱えている課題もインタビューする。その席上で見えてきたこと

  • セキュリティに対する高い意識
    個人情報保護法が施行されて日も経ち、内部統制や事業継続などリスクマネジメントとして大きく捉えることが求められている。そこに対する意識というのは非常に強い。ノートPC持ち出し禁止は当然で、USBメモリなどの外部デバイス接続をロックするのも、もはや珍しくない状況。USBポートなど外部インタフェイスが使えないPCなんて、果たして“PC”なのか!?この流れがこのまま進めば、自然とシンクライアントが普及するのではないだろうか。(しかし、“シンクライアント”というキーワードはあくまでも「近未来」なイメージを持っているというコメントもあった)
  • ユーザビリティの評価
    印象的な言葉として残っているのは「あらゆるものを可視化するために、電子化したときに、業務効率が落ちるシーンもある。それは、慣れの問題なのか、システム設計の問題なのか判断しきれない」という内容のもの。この根底には“ITシステムはそもそも使いにくい。人間が慣れるしかない”という諦めを感じた。
  • 全体最適の思考
    個別の業務システムは入っていて、それなりに“IT化”はされた。しかし、業務システムを導入することが目的ではなく、ビジネスを高度化し、革新するのが目的であって、局所最適では満足できないという思考。そして、この全体最適は理想論ではないという気付き、みたいなものを感じた。

情報システムに関わる人に、「最も興味のあるテーマ」をヒアリングすると、「セキュリティ」と「内部統制」が挙がる。しかし、これは大前提でしかない。興味のあるテーマというより、やらざるを得ないテーマであって、ポジティブには捉えられていない。つまり「楽しい仕事」「クリエイティブな仕事」ではない。
やらざるを得ないポイントを突いて、情報システム投資を引き出すのではなく、リスクと仲良しになることで見えてくる明るいビジョンを描けるような、そんな打ち出しができないものだろうか。