妻は作業療法士です。
作業療法士とはいわゆるリハビリを支援する人で通称OT。ちなみに理学療法士はPT。
基本動作(起きる、立つ、歩くなど)まで復帰させるのがPT、応用動作(ご飯を食べる、トイレに行くなど)まで復帰させるのがOTの領域らしい。
ただ、最近はその領域分担もオーバーラップしはじめており一概には言えないとのこと。
ともあれ、そんな彼女はALSの患者さんも実際に担当しているということで、我が家にとっては幾分かは近い問題なのだと思う。
せっかくなので自分の理解を進めるためにまとめてみた。
というわけで、そもそも「難病」とは何か?
- 特定疾患と呼ばれる厚労省が指定する疾患の俗称
- 現在130の病気が指定されている
- 指定は「特定疾患対策懇談会」としう諮問機関が決定している
たとえば、ALSは
- 1年間に人口10万人当たり1~2人程度が発症
- 発症がよく見られる年齢は40代から60代
- 男性が女性の2倍ほどを占める
- 体を動かす神経に障害がでる(その神経の先の筋肉を動かせなくなる)
- 徐々に症状が進行し、最後には自発呼吸もできなくなる
- 人工呼吸器を付けるのか否かについて選択を迫られる
といわれている。
つまり、難病とは
- 原因不明、治療方法未確立である
- 後遺症を残すおそれが少なくない疾病
- 経過が慢性にわたる
が特徴であり、よって
- 単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病
ことが大きな課題である
難病すなわち特定疾患に指定された130のうち56疾患については自己負担分の医療費が公費で賄われている。
これが来年度から対象疾患が300に増える。
小児の特定疾患も約100疾患増えて600くらいになる。(現在は514疾患)
基本的な考え方として、対象疾患を拡大し、広く薄い自己負担になるように変わるらしい。
老いが急速に進むコケイン症候群や、ALSと症状がよく似た筋ジストロフィーは小児の特定疾患に加えられる予定とのこと。
患者の家族の経済的には、医療費の負担軽減はもちろん重要なポイントではあるけど、なにより難病指定されると研究費が助成されるので、治療法や進行を抑える薬が開発されることが期待できる。
未だ特定疾患に指定されていない慢性疲労症候群のような原因不明の難病というのもある。(小児ではなく一般の特定疾患にどれを追加するのかの検討は今進められているらしい)
そんな場合には、対処療法のために大量の薬を飲む必要があり、かつ根治のための研究は遅々として進まない(進む見込みがない)ジレンマを感じることになる。
で、
- できることは、すべきことは、何や
- 影響力のあるカッコイイことは言えない
- 多額の寄付もできない
- 理系出身だけど研究者でもない
では、せめて
- 少なからず理解すること
- その理解を家族と共有すること
- 病気と闘っている方々の偏見や差別のストレスを取り除くこと
が第一歩なんだろうと思う。
ALS患者の理解という観点においては、フジテレビで放映された「僕のいた時間」が秀逸だったらしい。
このタイミングで再放送とかすれば良いのにね。
とりあえずオンデマンドを視聴購入してみようかな。
というわけで、我が家にとってのALSひいては難病やあらゆる障害を抱える家族との架け橋ともいうべき妻に、チビどもにとって、より身近であり具体的である母親にエールを送りたいと思います。
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