親会社の宣伝部から関係会社のWebサイト担当者にお呼びがかかり馳せ参じました。内容は「グループ企業のWebサイト全部のグローバルナビゲーションを統一する」というものでした。これについて少なからず違和感を覚えます。


・メリットを享受するのは誰?

そもそもグローバルナビを統一するのは、ユーザビリティのためということが説明されていましたが、本当にそうでしょうか?確かに自社サイト内でも酷いコンテンツはあって、どこの会社?ってのもありますが、グループ企業全体で統一するというのとは話が違うと思います。これメリットを最大限享受するのって、親会社の宣伝部さんですよね?各社のサイトトラフィックを集約できるわけだから。

・グローバルナビ統一は前時代的?

一時期、ナビゲーションシステムを導入して、見栄えを合わせることが流行りましたが、いまや昔なのではないでしょうか?デバイスやメディアが多様化し、
パーソナライゼイションがより進化すると、“見た目”ではなく“コンテンツそのもの”がブランドになる。その世界では、グローバルナビをグループ全体で
合わせてます!というのはどうでも良いことになってしまいます。

・大同団結の仕方

とはいえ、グループ企業が一致団結するのを否定するものではありません。
しかし、団結の仕方ってのは変化しているのではないでしょうか?グローバルナビ
を合わせると、団結感は存分に得られますけど、自己満足に陥る可能性は十分に高いように思います。ひとつの大きな塊になるのではなく、シナプス(もしくは
アメーバ)のように小さな思考セルが有機的に繋がっていくのが、現状において正しい大同団結の仕方なのではないでしょうか。

・適正サイズ

そういう意味では、企業の適正サイズってどんどん小さくなっているんだろうな、と思います。特に当社のようにSMBを自主ビジネスの主要マーケッ
トとしている企業にとっては。
あらゆる会議を大人数で押しかけるのではなく、分かっている人が適切なサービスや製品を見繕って提供してくれるというのが理想
形だと思います。そのほうがスピード出ますし。

・自社サイトへのアクセスほとんどが検索サイトから

なのに、グループ企業全体でグローバルナビを統一するメリットって何?
当社も8割以上が検索サイトから直接製品サイトにアクセスしています。その際のSEO対策として、グローバルナビ統一によるリンク強化ということであれば、ZDNetの企業情報センターのようなサービスを親会社サイト内で立ち上げて、関係会社がメンテナンスするというほうがスムーズなように思います。

Webという超重要メディアを親会社が召し上げるとなると、グループ関係会社の自主ビジネスは確実にシュリンクしちゃいます。