夕学五十講で須藤美和さんのお話を聞いた。実践的マーケティングセオリーということで、スッキリをまとめたもらえた。
そのなかでカスタマーインサイト導出のステップということで以下のスローを挙げておられた。

  • 想像力を発揮する
    顧客はどんな人なのか?行動パターンは?
    小さな変化に気付かなければならない。
  • SO What?をあぶりだす
    顧客の購買行動は何よって決定されているのか?
  • 購買を誘引するキーワード探し
    顧客の財布の紐を緩める口説き文句は何か?

ここでキーになるのは、口説きのキーワードを導出するセンスとなる。そのセンスの分かれ目を分かりやすく説明していただけたので、まとめておく。

  • 感度=小さい現象や変化に気付く
    ここで脱落する要因としては「小さい現象を見逃す」「見つけても誤差や偶然と決め付ける」「現象を法則化できない」がある。
    縦割り組織では、すでにこの時点で口説きのキーワード導出のチャンスが消えてしまう。感度は経験値だと思う。何よりも感じ続けることが非常に重要。ここでもみ消されると、経験値を積めず、感度の悪い社員しかいなくなってしまう。
  • 客観性=客観的な第一次仮説が立てられる
    ここで脱落する要因としては「自分を顧客代表と勘違い」「自分の常識に当てはめる」がある。
    自分の体験知に落とし込むのは間違いではないが、類似層=マスと勘違いすると悲劇である。また、聞いたことがあるとか知っているというだけで「新しくない」といって潰すシーンは容易に起こりうる。
  • 行動力=簡単な情報収集を即実行できる
    ここで脱落する要因としては「仮説をそれと気付かず通り過ぎる」「仮説の検証をしない」
    自分の仮説に自信が持てず、思いつきと見過ごしてしまったり、検証もせずに自分で消してしまったり、逆に突っ走ってしまったりということ。このフェーズは組織のコミュニケーション力がもろに出るところではないだろうか。逆に言うと、プラットフォームさえ整備されていれば、大企業がベンチャーより優位に立ちうるフェーズでもある。

やはり最も重要なのは、小さなアイディアを消さない仕組みがあることと、事業創造視点で挑むことであると言われていた。
また、仮説を生み出す目を持つということで以下の3点を挙げられていた。

  • ミクロとマクロの関係を常に意識する
    買うのはあくまでも個人であり、セグメントに捉われない。しかし、規模がないと事業としては立ち行かない。
  • 自我を捨て、客観的な目を持つ
    競合の何がうらやましいのか?競合は自社の何をうらやましいと思うか?
    たいてい、隣の芝は青い。
  • いかに伝えたいことを伝えたい人に伝えるか、を考え抜く
    嘘はばれる。コミュんケーションに酔ってはいけない。

広告代理店しか喜ばない広告ってよくあるからなぁ。