carpe diem

払う人と使う人の乖離

空想生活というコンシューマの声を集めて製品化するという仕組みを提供しているエレファントデザインの西山氏のお話を聞く機会があった。この仕組み自体は無印良品の商品開発で知っていたが、仕組みの提供元までは知らなかった。
話を聞いていると、これは情報システムの開発に使えるという想いが強くなった。そもそもBtoBの提案営業がベースの考えにあるということで、違和感はないようである。ポイントとしては人間の営業が集めきれない。もしくは集めてもペイしないところを担わせるというのが良いらしい。西山氏曰く「落ち葉拾い的」。つまりはロングテール。初期投資の大小と言うよりは、ライフサイクルの短い商品が合うとのこと。のんびりと商品開発してたら、出来上がったころには時代遅れになってしまっているというわけだ。
印象的だったのは、JTの空気清浄機の開発のお話。タバコのための空気清浄機は、喫煙者よりも非喫煙者のコメントのほうがそのニーズにマッチしている。しかし、JTのアンケートなどには非喫煙者は回答しない。つまりニーズの発生地点にコンタクトポイントを持ちづらい構造になっている。そういうときに、空想生活はより効果を発揮したという。
企業のシステムでいうと、ニーズの発生地点は会社で働く人、しかし営業先は情報システム部門かそれに相当する一部の社員ということになる。そこで、情シス部門を飛び越えて、社員にアクセスしても、決裁権どころか導入に関与すらできないのが現実なので、ビジネスにはなりにくい。情シスは、効率化を至上命題にされており、社員の使いやすさまで気が回らない。そこを埋めるのは、現実のデータ。そのデータ収集に空想生活は充分に使えるはず。
しかし、うまい話ばかりではない。アイデアを公開しないと、コミュニティで育てることができないと言う点だ。公開するということで真似をされるリスクはある。
こうやって考えていくと、いかにオープンになれるかというあたりがやはり肝である。

Categories: メモ/雑感

エンタープライズサーチ導入の課題 » « ワークスペースのデザイン

2 Comments

  1. ありがとうございます!
    「情シスは何も現場を何も分かってない」とか「現場に好き勝手やらせたら、ガバナンスなんてあったもんじゃない」とか言っていがみ合ってる場合じゃないと思います。どこかで誰かが橋渡ししてあげないとダメなんですよねぇ。で、それを誰がすんねんという話に落ちていくわけです。ズブズブと泥沼に感じます。。。

  2. –そうですね。納得です。
    いつも興味深いお話をありがとうございます。
    更新を楽しみにしております!

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