日経電子新聞が発表されて、なんとなく聞こえてくるのは
高いし、イマイチやなぁ
というのが趨勢を占めているように見える。
実際、概要についてプレゼンを受けた際の個人的な印象としても、有料会員になる可能性はほぼゼロだと思った。 なんといっても、「紙ありき」な雰囲気がプンプンするあたりに、しがらみを感じずにはいられない。
仕組みそのもの
ただ、価格を除いてサービスそのものについては、非常に期待できると思う。クリッピングやそれに合わせた記事のリコメンドも、使い勝手は良さそうに見えた。全記事をXML化してDB格納したことも、今後の展開を考える上で、独自資産として強みを発揮していくように思う。ただ、紙面がそのままWebでも見られますってのは、どうなんだろう・・・。
重要な資源
なにはともあれ今回、仮に1万人程度しか有料会員としてサインアップしなかったとしたら、おそらく事業としては失敗なんだろう。だけど、あまり戦略的とは言えないプライシングでも、1万人もお金を払う人たちがいるという実績は、大きな成果になると思う。
また、こういうのは仕組み(サーバやCMS、DBなど)を導入すればコピー完了というものではなく、根底を流れるコンセプトが肝になる。血と汗を流した日経新聞社内の(おそらくギークな)電子新聞発行を進めた人たちこそが、重要な資産となる。
失敗の成功
というわけで、もし本当に「紙の新聞ネットワークや商流、しがらみを守りたい抵抗派」が日経新聞社内にいたとして、もし万が一「プライシングによって失敗を誘引した」とすると、思惑通りの失敗となるかもしれないけれど、このプロジェクトに真っ向勝負した人たちは、素晴らしい経験を積まれているわけなので、やっぱり「成功」なんだと思う。
そしてこれが「成功」だってのは、実行した人やそうしようとしている人にしか理解できない。 という意味で、今回の電子新聞ラウンチという「実行」は、ひとつのターニングポイントになるように思っている。
2010/03/05 — 12:00 AM
紙面と同じ広告が見れるのが(見れるのか?)僕にとっては利点。