会社のミーティングなどで、センタースタッフと話していると、あまりのスピード感のなさにゲンナリする。これは、自分も含めての話。マーケティングの仕組みなどは、欧米の事例を見ずとも、“周回遅れ”の感を否めず、ジリジリとした思いでいる。
これは、ミドルやトップの理解がないからだというと、そこで思考停止に陥ってしまう。その時点で、理解や意識のないと位置づけているミドルやトップたちと同じ側に行ってしまう。(そして、そんなジレンマをアツイ若手は感じているようにも見える。)
みんな大好きPDCA
で、ひとつの視点として社内資料などに頻繁に出てくる「PDCA」という言葉で考えてみた。 スピード感のない組織では、このPDCAが
- P=計画、企画、ひらめき、思いつき、、、
- D=パワーポイント作成と提案
- C=調整(CoordinationもしくはCHOUSEI)
- A=実行
みたいなカンジになっているように思う。そして、たいてい“D”と“C”が異様に重く、進まない。そして、ここで頓挫する。PDC…PDC…でAがこない。
かといって、ドキュメント化や調整は一概に悪いとは思わない。
- 言語化や図表化することで考えがクリアになる(まとまる)
- 提案と調整によって違う視点を獲得できる
- サポーターや共感者を得ることができる
これらはメリットとして十分に考えられる。しかし一方では
- 美しいパワーポイントを作ることが目的にすり替わる
- 実行せずにすむ理由探しが始まる(そして情熱を失う)
ということに陥っている場合が散見されるように思う。
SAPDに変換
そこで、Aをもっと前に持ってくれば良いのではないかと思う。あと、CはCHOUSEIに繋がるからというわけではないが、Studyのほうが実態に即している(インテリジェンスも感じるし)。というわけで、PDSAをSAPDとする。(これはずっと昔にどっかで見たのだけど出典が分からない、、、)
- S=現状分析、仮説構築
- A=試行
- P=検証、改善計画
- D=実行、本格展開
これだと、第二ステップにActionが来る。なにはともあれやってみないことには、ノウハウもたまらない。机上の空論では面白くない。ポイントとしては
- とりあえずやってみる
- 情熱が熱いうちに行動を起こす
- 失敗できる、そしてそれを共有できる
- 方向性についてのコンセンサスは必要
方向性のコンセンサス
ポイントの最後に挙げたように、方向性については論理的に説明できないと「いきあたりばったり」と取られかねない。そういった意味では、より正確に書くと
(PD)SAPD
ということだと思う。これを端的に表すエピソードとして興味深かったのがこのコラム
試乗した役員全員が、「凄いなコレ〜!」と降りてくる 第6回:レクサス IS F【開発者編・前編】
私はもともとレクサスのブランド戦略をやっていました。その中で、利益よりもまずレクサスというブランドの幅を広げていくためには“エモーショナルなクルマ”が必要ですよ、と長い間説き続けて来ました。2000年ぐらいからずっと。
まったく場違いのイレギュラーを“ボコっと”出す手前には、当然のことながらプロローグがある。
機会損失か失敗か
先日、参加した群衆の叡智サミット2009で、高須賀さんの言葉が深く刺さった。
(不確実な時代には)失敗するリスクより機会損失リスクのほうが小さくなる
という意図のことを仰っていた。PDCAで失敗を防ぐかのように企画を次々潰していくより、SAPDで機会損失に着目するほうが健康的だ。そもそも、そのほうが楽しい。
コメントを残す