セレンディピティとまでは言えないだろうが、関係あったりなかったりの、ちょっとしたことが自分のなかで繋がって、モチベーションが上がっている。
セレンディピティその1
今、隣の営業グループのなかでも実績、思考ともにトップクラスのメンバーにインタビューをして回っている。目的は、個人的にはB2Bマーケティングのサイクルを現場視点で整理することにある。(短期的には、獲得したセールスリードを営業にいかに提供すれば、営業・マーケ・お客さん、みんながハッピーか?ってのを整理することにある。)
で、インタビューを進めるうちに小さな疑問が浮かび、だんだん大きくなってきた。それは
「なぜ、この人たちは(こんなに営業システムが脆弱もしくは皆無で戦いにくい)この会社で、営業として働き続けるのだろう?」
ということだ。 前述の通りトップセールスたちなので、それこそ営業が強いといわれるような企業にいけば、もっと輝かしい実績を収めることができるはずだし、そう考えて去っていた人たちも多い。
で、インタビュー最後の営業に聴いてみた。答えは
「営業システム(戦略やコンセプト)がほぼ皆無で、何もないから」
であった。 つまり、「創り上げることができるから」ということであった。この感覚、少なからず私も持っていたはずだが、いつの間にか薄れていたような気がする。
セレンディピティその2
鼻に突っ込むマスクというのがあると聞いて、興味深々になってしまった私はどうしても実物が見たくなった。商店街のスーパーにはなかった。となると、行くところはひとつ。東急ハンズである。
東急ハンズには、こういう“エッジが立っている商品”があるに違いないという確信みたいなものを、少なからず抱いている。
で、マスクをブラブラしながら探していると、とある男性がスタッフに
「マイペット(正確には忘れた。何しか一般的な掃除用洗剤)ありますか?」
と聞いている。するとスタッフは
「そういった一般的な洗剤は、お近くのスーパーなどで買われたほうが安いですよ」
と答えていた。これって機会損失?
私がそこで感じたのは、「うんうん。そうやんなぁ。」であった。ハンズには、ちょっと高いんだけど、すっごい汚れが落ちるすごい洗剤を期待しているので、スタッフの対応は逆にブランドを感じた。
セレンディピティその3
「子どもに働く喜びを教えない親は泥棒になれと教えているようなものだ」
ところが、最近は働かない日本人が増えている。デイトレーダーというのだろうか、株の売買で飯を食っているという人間がいるが、これは「働く」とは言わない。株売買には何の生産性もない。差額を抜いているだけだ。
詐欺が職業足りうるのは、働かずにラクして儲けたいって輩がいるからだ、ということだけど、詐欺は論外だとしても、“金融アニマル”を一概に斬り捨てるのは、どうかなと思った。
彼らの金銭感覚は理解できないし、理解できるとも思えないけど、だからといって、「汗水たらしてない」ヤツたちだとは言い切れない。それこそ葬式会場にまでPCを持ち込まなければならないほど、脂汗をたらしている。カネ儲けは悪いことではない。私だって5,000万あれば、住宅ローン一発返済で、息子の学費も心配ないし、老後もつつましく(どころか豪勢に)暮らすことができる。ので、それ自体は否定しない。
だけど、やっぱり金融界隈には行かない。それは、使命がそこでは達成できないからであって、マジメに働かなければならないから、ではない。ラクしたって良いやん。ラクにカネを儲けても、それでもやっぱり満たされない人は、使命を果たすべく働くんだから。
セレンディピティその4
今朝、出社すべく最寄駅まで歩いていると、小学校の体育館から吹奏楽の合奏が聞こえてきた。曲目は、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のテーマソング。むちゃくちゃ巧いってわけではないんだけれど、すっごいパワフルで、キラキラしていて、染みていく感覚があった。胸を張って歩きたくなる感じ。下なんて向いてると損する気分。少なからず元気付けられた人、多いと思う。
人財は辺境にあり
その1からその3まで、働くこと、そしてそのことによって形成されるブランドや果たすべき使命について、なんとなくゆるく繋がっていた。
SI子会社において本当にマーケティングが必要なのか?という問いに対して、望まない方向に進みつつあることを感じながら、ネガティブにもなりそうな朝に、海賊のテーマで奮い立たされた(きっと演奏している小学生は思いもよらないだろうけど)。
最近、ビジネススクールで心に深く刺さった言葉に、コンサルタントの高橋俊介さんの
人財は辺境にあり
というのがある。社会が劇的に変化するとき、それに対応できるのはメインストリームにいる人ではなく、辺境にいる人だ。また、人が成長するのは辺境だ、辺境でしか人は成長できないという。この言葉に出会って以来、辺境にいることが楽しくなった。
日本のB2Bマーケティングをもっと刺激的で楽しくする“辺境の海賊”になろう。(カッコつけすぎかw)
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