最近、使うのをより慎重にしている言葉がある。

それは「集客」と「囲い込み」。

マーケティングにおいては、基本戦略ではあるだけに、やもすると先入観となり、真の課題解決から遠ざかってしまうように思う。

集客というより送客ってカンジ

集客はもちろん必要。お客さんに知ってもらわないとビジネスはそもそも成立しない。ビジネスであるからには、それ相応のボリュームも必要。ただ、間口を大きく広げて絶対数を確保して、絞り込んでいくという一直線な線形モデルでは、効率が悪くなってきた。直接的な遷移率だけを見てしまうと、たとえばキーワードリスティングのリード獲得単価は、すごく高いものになってしまう。

よって、マーケティング全体(認知から受注・サポートまで)を捉えて、お客さんと繋がっていかないといけない。それぞれ個別の関係性にあったコミュニケーションを継続的に行っていくことで、お互い気持ちの良いビジネスができる。お互いハッピーであるってのが大切。

というわけで、集客に奪われがちな意識を、営業とマーケティングとのコラボレーションに向けるためには、“送客”という言葉のほうがシックリくるように思う。気持ちを向けてくれたお客さんをどうやって営業に渡すか?ってのをもっと考えないといけない。

ヤキモチ焼かないないカンジ

囲い込みってのを全否定はしない。上記のようなお客さまそれぞれの関係性を把握するってのは、囲い込みの一面を持っているため。しかし、お客さんと関係を築くフィールドは、すでに実際に広がり続けており企業側の都合だけでは、もはや網羅しきれない。

コンテンツを観に来てもらうのと同じくらい、届けないといけない。まさに解き放つイメージ。B2Bだけで考えても、ZDNetやTechTargetのホワイトペーパーやキーマンズネットのKeyノート、NEWS2Uによるニュースリリース配信、などなど自社プラットフォームじゃない自社スペースってのが、お客さんとの間を埋めてくれる。そして、他社(者)比較してもらってナンボ。独占欲をあからさまに出してはならない。ヤキモチを焼かず、お客さんのメリットを尊重する。

どっかで統合したい・・・

こうなってくると、お客さんとの距離感ってのをはかるのがなかなか難しくなってくる。そこで期待するのがサイトログ解析サービスとなる。その可能性を感じたのは

キーワードは「インテグレーション」オンラインマーケティング最適化を実現するサービス群

米国でも人気が高いiPhone。2月の段階でApp Storeのアプリケーション販売本数は2万本を超えている。このアプリケーションの利用頻度などがSiteCatalystで計測することが可能となるのだ。

というレポート。自社じゃないプラットフォームも統合的に見られるようになるのは、ありがたい。つまり、動向分析のところで統合されていれば、コンテンツを置いておくところはどこだって大した問題にはならない。もう一方として、コンテンツ管理も重要にはなってくるので、CMS同士を繋ぐフォーマットってのがあれば、気持ち良さそうな気がする。

ポイントはクッキー

で、これらのサービスを実現するのに重要になってくるのが、クッキーだと思う。

リアルでいうと、店の人が顔を覚えてくれていて、コミュニケーションが積み上がっていくカンジ。しかし、これと同じようなことをネットでやろうとすると、気味の悪さが先立ってしまっているように思う。クッキーに対して良いイメージを持っている人は多くない。

でも、そういう技術を利用することで、ビジネスを気持ちよくできるようになるのであれば、理解はきっと得られる。ここらへんはスッキリ理解しやすくまとめておられるのが

Audience Science

ユーザーに対して自分の行動履歴を許諾するかわりに、同様の行動をしている他のネットユーザーがどんなコンテンツを閲覧しているかをリコメンドするような仕組みがあると、参加しやすいのではないかと思う。広告を最適化しますという広告の送り手の論理だけではなく、受け手にとってのベネフィットを、コンテンツのリコメンドをする仕組みとして提供すると面白い。

このエントリ内で挙げられている行動ターゲティングのガイドラインも重要な要素なんだろうな。

企業サイトは情報発信メディアではなく、サービスそのものだという意識がすごく重要になってきている。で、結局それは、提供者としての矜持というか、人と人とのコミュニケーションそのものなんだと思う。