企業のIT支出は2009年の夏に回復する——フォレスターが示す4つの理由

市場調査会社の米国Forrester
Researchは、2009年度における米国企業のIT支出について当初6.1%の成長を予想していたが、現在はそれを1.6%に下方修正している。た
だし同社によると、企業のIT支出は、2009年の夏には回復基調になる見通しだという。

世界を覆っている不景気ってのは、昨今の金融危機が原因ではなく、促進要素でしかない面も多分にあるとは思うのだが、何はともあれ各企業は自らの業界や事業の仕組みや戦略を見直さざるを得ない状況に置かれていることは間違いないと思う。

ただし、「金融危機の影響により業績不振になった」で思考停止しているようでは、生き残ることはできないと思う。真の経営課題というものを洗い出さなければならない。

事業戦略を遂行するために少なからず必要となる、意識の共有(特に危機意識の共有)というものを高めるのに絶好の機会であるとも言える。(そんな悠長な話ではないという企業も多く存在はするとは思うが、ここでは置いておく)

次のパラダイムでの主役を狙う

IT業界も例外に漏れず、厳しい経営環境であるが、この業界こそ(特に日本の企業こそ)、危機感の共有をしなければならない業界であると思われる。

巷では「あのトヨタでさえ不況」

なんて言っている(実際、社内メールにも同様のコピーがあった)が、よく言われる米国でのビジネスの主役が

フォード → マイクロソフト → グーグル → そろそろ次だ!と各社虎視眈々

なのに対して

トヨタ → トヨタ → トヨタ → やっぱりトヨタかなぁ

なんて言っている日本より、虎視眈々としていたいし、もちろんその座に到達したい。

景気戻るのも考えもの

しかし、キチンと不景気にならないままに、なんとなく景気が戻ってしまうと、意識の共有は難しくなる。せっかくのチャンスを活かせない。次のパラダイムにおける主役なんて到底狙えない。

ということを考えると、冒頭のフォレスターの予測が的中し、米国に引きずられるカタチで日本のIT業界も回復してしまうのは、考えものなのではないかと思った。

(そんなことを言えるのは、やはり悠長なのかもしれない、、、)