先日(5月21日)、群衆の叡智サミットに行ってきました。
パネルディスカッションの2部構成で存分に楽しめました。(会場で提供されたスタバのコーヒーとクリスピークリームドーナッツも幸せ度が高かったです。)
とても全体をうまくまとめることができないので、最近、特に興味を持っているイノベーションあたりのトピックについてフックしたものをアップ。
IBMの危機感
IBMがOSSに取り組んだモチベーションは、「今後サーバでは儲からないぞ」というのを’97〜’98ごろに勘付いたかららしい。おそらく多くの企業でも当時から、同様の危機感を持っていた人材は少なからず居たと思われるが、実際に行動に移すかどうかは非常に大きな差となってでてくる。
IBMにおけるイノベーションの取り組み
実行力という点において、さらに興味深かったのがイノベーションの取り組みだった。IBMにおけるイノベーションの定義は「Invention×Insight」それによって社会的価値を生むこととされていた。その掛け算を発生させるための取り組みとして4つの活動が紹介されていた。
そのなかでもフックしたのがJam。IBMのステークホルダー15万人でブレストを行い、そこからでてきたプロジェクトをピックアップして予算を付けて実行するというもの。規模はさておき、似たような(タスクフォースやワーキンググループと称された)活動は、ウチの社内でも数多存在するが、どうも最後のアウトプットが見えにくい。ガッツリと予算を付けて実行するという意気込みが弱い気がしてならない。
プレゼンをされたIBMビジネスコンサルティングサービスの伊藤久美氏は、キーポイントは、ダイバシティつまり多様性を認めて学ぶことだと仰っていた。深く納得。
群衆とは
「専門家(情報を100%持っている人)が集まれば正しい判断ができるというのは幻想である」というのは群衆の叡智の前提となる。専門家でも実現できないブレークスルーを実現すること(アハ体験)こそが群衆の叡智の目的となる。そもそも、不確実性に対応するには専門家では限界があるという発言もあった。
ここで、無制限の群衆よりも制御された群衆を意図的に作ったほうが群衆の叡智のクオリティは上がるのではないか?つまり群衆をエミュレートできないだろうか?という発言があったのが興味深かった。
確かに“群衆”を作るのは非常に難しいと思う。群衆の叡智を成立させる4つの要素「分散性」「多様性」「集約性」「独立性」。個人的には「独立性」がもっとも困難なのではないだろうかと思う。コミック沈黙の艦隊でも最後に確立されたのが「独立性」だった。しかも、それは各国の政府から与えられたものではなく、各個人が宣言するというカタチで成立した。このコミックについては、また別エントリでも上げたい。(最終巻を読みながらネットカフェで泣いてしまった)
群衆の叡智とは
群衆の叡智とは個人をエンパワーするものである。というのが、すんなりと腑に落ちるサミットだった。正解を求めるより納得を求める。というコメントもピッタリとはまる。
2008/06/04 — 12:00 AM
群衆の叡智サミット2008に出席して
■サミットの概要 5月21日、群衆の叡智サミット2008ー(WOCS2008 Spring)に出席してきた。 これは、昨年11月に開催された、『群衆の叡智サミット2007』に続く第2回目で、場所は前回と同じ東京丸ビルホール&コンファレンススクエア7階「丸ビルホール」。「メ