親会社からの請負が8割以上を占めるSIerにおける広告宣伝部門はハッキリ言って弱小。
同じグループには、カタログをディレクションしたり、テレマーケティングを取り仕切ったり、セミナーや展示会を企画するチームもいるし、部門名にも「営業」がついて、組織的にも営業部隊のなかのスタッフ部門として存在している。
その昔、入社して2,3年の「広告宣伝マン」を志望していた当時は、これが実に嫌で仕方なかった。「俺は営業マンじゃない」と言い続けていたが、ここ何年かはあくまでも結果論でしかないとはいえ、このポジションは非常に有効であると思うようになる。
自社サイトの戦略企画担当から、雑誌広告の担当まで手を伸ばし、マーコム全体像を企画するところまで顔を出すようになると、欲が出てくるようになる。
「広告宣伝効果は定量的に測定することができるはず」
今となっては当たり前なのだが、子会社とはいえそれなりの組織で「雑誌広告担当」に収まっていたら、その欲に対して行動できなかったに違いない。営業が同じフロアにいて、営業支援的な動きや発想もすんなりと取り込めることも非常に大きい。
施策が“広告宣伝”なのか“販促”なのかは、今や予算計上の費目でしかない。効果を定量化するためのアウトプットまで見通して、コミュニケーションをデザインすることができるカタチに図らずもなりつつある。
実現するポイントは
- スリムで小さな組織であること (雑誌媒体担当とかセミナー担当とか分けると意味がない)
- プロセスを標準化し、そのプロセスを軸にチーム作りをする
- 徹底的な情報共有
- それぞれ専門性を持って動くこと
(会議がひとつの指標となる。専門ノウハウをもって会議に臨んでいるかどうか、という意味で)
ってなあたりが見えてきた。
コミュニケーションの粒度はより細かくなり、多層的にコンタクトポイントを設計しないと、成果が見えてこない。プラットフォームとなるITシステムへの理解も必須。この「広告会社」×「コンサル」×「IT」の重なったあたりが、目指すべきポジションであると考えている。
「インテグレーテッド・マーケティング・コミュニケーション」という考え方は、広告の手法論に留まらず、企業のインターナルな組織構造も含め、「戦略的ビジネスプロセス」と考えるところにまで発展しており、インターネットによるスルー・ザ・ライン、全体最適化が可能になった今だからこそ、この考え方が重要になっていると云える
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