残念ながらアンケートの詳細は明かせないが、顧客企業の各セクションの方々が、どのようにIT系(ソリューションやソフトウェア、ハードウェア)の情報を収集しているのか?という調査レポートが社内で展開されました。

調査内容は、「よく見る媒体(新聞や雑誌、Web、テレビなど)」「記事を見た後のアクション」などが調査されています。

ここで気になったのは、媒体ごとの接触割合ではなく、そもそもこういう調査の結果の合理性やどのように取り扱うか、という点でした。

たとえば、「CIOクラスは日経新聞のみならず業界紙にも目を通し、Webではほとんど情報収集していない」 とか、「運用部門はキーマンズネットを閲覧している率が高い」なんていうことは、感覚的にも媒体情報からも目新しいことではないと思う。それを改めて数値化して、検証するという意味はもちろんあるが、だからといって何かを判断する上での強力な材料とするには、あまりにも貧弱と感じる。

この世知辛い世の中、「広告宣伝や広報は果たしてどれだけ収益に貢献しているのか?」というのは、広告宣伝部や広報部へのプレッシャーとして重くのしかかってはいるが、扱い方を間違えると、これらの調査データで自らの首を絞めかねないと思う。

本当の意味でのCRM、それはITシステムだけではなく、「顧客との“関係性”をマネジメントする」という発想に立ち返り、コミュニケーションというものを真摯に注意深く取り扱わないと実体を見失うと思う。

とくにWeb2.0やCGMというキーワードで括られるような、「コンテンツ」そのものに価値を見出して、RSSなどでコンテンツそのものを流通させるのが当たり前になっている今日においては、「どの媒体に接触している」と自覚するほうが難しい。つまり、何がどう寄与したのかというのは、より計測しにくい状況を生んでいると思う。

そこをしっかりと押さえておかないと、「広告はイメージだから効果は計れない」とか「プレスリリースに掲載したURIにアクセスが増えてないから効果がない」なんて短絡的なことになってしまう。

コミュニケーションとは複雑怪奇。だからこそ広告宣伝は面白い。